【中級JCSQE】過去問(第3回)

【問題】

プロジェクトで新しい技術を使ったとき、それが正しく使われているかを確認するにはレビューが有効である。この目的でレビューを実施するうえでの留意すべき点を2つあげ、それぞれ25字程度で述べよ。

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【解答】
①チーム内で成果物ができたとき、すぐにレビューする

②新しい技術を必要とする人をできる限り参加させる。
③レビューアを見つけることも、レビューの目的とする。
④新技術を持った技術者がレビューする。

【解説】

レビューでは、成果物の出来や新技術の適合可否を判断することはもちろんのこと、改善のための有益なフィードバックを得ることも重要である。単にレビュープロセスに関する基準(指摘件数や工数など)を満たしているかどうかを判断するだけでは不十分である。
「レビューは、工程の最後、あるいは工程の成果物がある程度完成したときに実施す
る」ことの実践だけでなく、現場の様々な状況に合わせてレビューを実施することが大切である。
新技術のプロジェクトでは、チームの新技術の習熟不足が原因で失敗するリスクがある。
この状況では、新技術に習熟した技術者をレビューアとしてレビューに参加させることが、もちろん有効である。
しかし、さらに重要な視点はレビューを実施するタイミングである。

できるだけ早い時期にレビューを実施することによって、チームの新技術への習熟状況を見極め、早め早めに必要な対策を打つことがプロジェクトを成功に導くコツである。
新技術の教育の視点からレビューを活用することも重要である。
レビューを通じて新し
い技術の習得が期待できるので、新しい技術を必要とする人を、できる限りレビューに
参加させることが有効である。
既存技術のプロジェクトに比べてレビュー参加人数は増え
ることになるが、チームメンバの新技術の習得を加速できる利点は大きい。また、新技術に習熟したレビューアの数は不足しがちなので、組織として良いレビューアを見出すことが欠かせない。新技術のプロジェクトにおける良いレビューアとは、必ずしも長い経験時間を持つ人とは限らない。その人の新技術へのセンスが問われることもある。
レビューを
通じて、参加者の中から良いレビューアを見出すことが可能である。
解答の多くが「新技術を持った技術者によるレビュー」という直接的なレビュー効果を求める視点にとどまっていた。
レビュー実施のタイミングやレビューの教育効果などの幅
広い視点を持って、新しい技術という状況に対応してほしい。
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【問題】

非機能要求を定義するとき、目標設定の観点から曖昧さを避けるための留意点を50字程度で述べよ。

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【解答】
非機能要求には、直接測定が可能な要求と不可能な要求がある。不可能な場合でも代用特性を見つけ、極力数値化する。

【解説】

本問題は、非機能要求を定義するときの留意点を問う問題である。
非機能要求は機能要求に比べて曖昧になりがちである。
このため、曖昧さを避けるため
の技法を理解していることが重要である。
曖昧さを避けるためには、できる限り数値化す
ることがポイントである。
非機能要求は、直接測定が可能な要求と不可能な要求がある。

したがって、直接測定が不可能な要求であっても、可能な限り計測可能な代用特性を見つけて、具体的数値を用いて定義することが重要である。
解答には、単に「数値化する」というものが多かった。
非機能的要求には直接測定が不
可能なものもあることを考慮に入れて、数値化のために代用特性を見つけることにも言及してほしかった。[/wpex]

■中級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)に合格しました。