【問題】結合テストを終えてシステムテストに入ろうとしている。モジュール当たりの障害(バグ)の密度を測定したところ、モジュールにより測定値が大きくばらついていた。品質の現状を把握するために階層化したい。異なる2つの階層の観点と、それぞれの階層により明らかにできる事柄を各25字程度で述べよ。層別の観点と事柄の間は、『:』で区切って記述すること。 解答 【解答】 規模別:大きなモジュールに障害が集中しているか 規模別:小さなモジュールに障害が集中しているか 開発担当者別:同じプロセスでも担当者能力は異なっているか 開発担当者別:特定の担当者が多くの障害を作り込んでいるか 開発担当者別:熟練者の担当個所は障害が少ないか 障害重大度別:モジュールにより重大な障害が集中しているか 障害原因別:障害が特定の障害原因に集中しているか 機能別:複雑な機能に障害が集中しているか テスト方法別:テストの回数や実行有無が異なっているか テスト担当者別:同じプロセスでも担当者能力は異なっているか テスト担当者別:特定担当者が軽微な障害を多数報告しているか テスト担当者別:熟練者が経験により効率的にテストしているか 【解説】 本問題は、品質を分析・評価するとき、層別という技法を適切に用いうるかを問う問題である。 ばらつく測定情報を手にしたとき、ばらつきの原因を考察することは品質管理の基本である。 QC 七つ道具のひとつである層別技法を、特定の目的のために適切に適用するためには、分析者の観点が決め手になる。 明らかにしたい事柄が異なれば、層別の観点を変えなければいけない。 このとき、ひとつの観点だけではなく、複数の観点によって、得られた情報をもとに多面的に分析を進めることが大切である。 多面的な分析によって、ばらつきに大きく寄与している要因を浮彫りにすることができ、その結果、有効な対策につなげることができる。
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【問題】非ソフトウェア設計において、プロジェクトのメンバーがこれまで経験したことのない新技術に挑戦することとなった。この技術はソフトウェア開発の成否に関わる重要な技術である。もちろん、プロジェクト開始前に中核メンバーの何人かは、この技術研修を受講している。社内にこの技術を経験した技術者もいたが、このプロジェクトには参加できなかった。なお、この技術は数年前によく使われた技術の延長線上にあるが、適用方法を誤ると期待効果が得られない。ソフトウェア設計のレビューにあたって注意すべきことを3つあげ、それぞれ50字程度で述べよ。 解答 【解答】 ①社内の新技術経験者をレビューに参加させ、新技術の特徴や、適用上の注意点などを重点的に確認してもらう。 ②当該技術を過去に適用したときに期待効果が得られなかった原因を調べ、チェック項目として挙げる。 ③既存技術と新技術の違いを調査し、流用可能な既存チェック項目や、新技術に固有のチェック項目を整理する。 ④新技術に精通した社内の技術者がレビューに参加できない場合は、社外の有識者にレビューに協力してもらう。 【解説】 問題の狙い: 既存技術の延長上にある重要な新技術について、社内での技術蓄積が限られており、プロジェクトのメンバーには技術経験がないという状況における設計レビューの留意点を問う問題である。レビュアとして適切な人員を選定し、当該技術を適用する上でのポイントを把握し、社内に蓄積された技術ノウハウを利用するなどして、適切なレビューを実施できる体制を整えることが求められる。そのような観点に受験者の目が向けられているかどうかを判断することが、この問題の狙いである。 解答のポイント: 当該技術はソフトウェア開発の成否に関わる重要な技術であるため、まず、この技術に精通した技術者をレビュアとして選定することが求められる。そのような人材が社内にいない場合は、社外のコンサルティングを受けるなどして適切なレビューが実施できる体制を整えておくことが望ましい。また、既存技術の延長上にある新技術であるため、既存技術と新技術の違いを分析することで、新技術を適用する上でのポイントを洗い出すことも求められる。 不十分な解答の特徴の例: ・レビューの目的を明確にする、レビューの観点を挙げる、早期にレビューを行う、適切なレビュー技法を用いるなど、問題が設定された状況とは無関係に、一般的なレビューの留意点しか挙げられていない。 ・新技術経験者ではない技術者をレビューに参加させて、その技術者のスキル向上や組織内での横展開を図るなど、当該プロジェクトの成否とは関係のない副次的な効果を狙った内容を記述している。 |
☞■中級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)に合格しました。
人生100年時代。40代・50代は「人生の中間点」。今を乗り越え新たなステージへあなたが目指すセカンドキャリア・セカンドライフを実現するために今やるべき事