【問題】大きなプロジェクトで新しい技術を使うことになったので、設計原則をドキュメントに纏めた。設計原則に精通すべき設計者が100人程いるが、当該技術に詳しくない人もいるため、徹底が難しそうである。設計原則の徹底を図るためにどのような対応方法をとるべきか、異なる二つ上げ、それぞれを25字程度で述べよ。 解答 【解答例】 ①専門家による教育の観点 新技術の教育専門部隊を設立し、設計原則を指導する ②指導者数増大の観点 指導者が次の指導者を発掘・育成し、累積的に人数を増やす レビューや指導を通じて、有望な指導者候補を発掘する ③ツール活用の観点 設計原則をツールに反映することで、原則逸脱を未然に防ぐ 設計原則をツール化することで、若手設計者へ技術継承する 【解説】 本問題は、新しい技術を使う大きなプロジェクトにおいて、設計原則を徹底するための対応方法を、複数の異なる観点から説明できるかを問う問題である。 設計原則の徹底は小さいプロジェクトでもなかなか難しい。本問題のように、設計原則に精通すべき設計者が 100人程いる大きなプロジェクトでは、より一層の工夫が求められる。 設計原則を教育・指導するためには、設計原則をドキュメントにしたり、教育テキストを用意することが大切であるが、大きなプロジェクトでは、どうしても徹底漏れが生じやすい。この徹底漏れをいかに防ぐかが鍵である。 また、大きなプロジェクトでは、設計原則の指導者やレビューアが不足することが予想される。この不足状況をいかに克服していくかも鍵となる。解答には、新技術であることに着目したものが多く見られた。 例えば、既存技術の場合より早いタイミングでレビューするとか、新技術に精通した設計者やレビューアを外部から調達するなどという解答があった。これらは有効な対応方法ではあるが、大きなプロジェクトという今回の設問では、他の対応方法と組み合わせなければ、限定的な効果に留まる恐れがある。徹底漏れを防ぐ際に、プロジェクト規模の大きさを克服するためには、レビューや指導を通じて、プロジェクト要員の中から有望な指導者候補を見つけ出し、次の指導者として育成することによって、プロジェクト内の指導者層を階層的・累積的に増やすという観点も併せて重要である。また、設計原則をツールに反映することによって、設計原則からの逸脱を未然に防ぐことや、プロジェクトに参加している若年設計者への技術継承を促すことは、大きなプロジェクトにおける徹底漏れ防止に役立つことにも着目して欲しい。 |
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