【問題】プロジェクトで新しい技術を使ったとき、それが正しく使われているかを確認するにはレビューが有効である。この目的でレビューを実施するうえでの留意すべき点を2つあげ、それぞれ25字程度で述べよ。 解答 【解答】 ①チーム内で成果物ができたとき、すぐにレビューする。 ②新しい技術を必要とする人をできる限り参加させる。 ③レビューアを見つけることも、レビューの目的とする。 ④新技術を持った技術者がレビューする。 【解説】 レビューでは、成果物の出来や新技術の適合可否を判断することはもちろんのこと、改善のための有益なフィードバックを得ることも重要である。単にレビュープロセスに関する基準(指摘件数や工数など)を満たしているかどうかを判断するだけでは不十分である。 「レビューは、工程の最後、あるいは工程の成果物がある程度完成したときに実施する」ことの実践だけでなく、現場の様々な状況に合わせてレビューを実施することが大切である。 新技術のプロジェクトでは、チームの新技術の習熟不足が原因で失敗するリスクがある。 この状況では、新技術に習熟した技術者をレビューアとしてレビューに参加させることが、もちろん有効である。 しかし、さらに重要な視点はレビューを実施するタイミングである。 できるだけ早い時期にレビューを実施することによって、チームの新技術への習熟状況を見極め、早め早めに必要な対策を打つことがプロジェクトを成功に導くコツである。 新技術の教育の視点からレビューを活用することも重要である。 レビューを通じて新しい技術の習得が期待できるので、新しい技術を必要とする人を、できる限りレビューに参加させることが有効である。 既存技術のプロジェクトに比べてレビュー参加人数は増えることになるが、チームメンバの新技術の習得を加速できる利点は大きい。また、新技術に習熟したレビューアの数は不足しがちなので、組織として良いレビューアを見出すことが欠かせない。新技術のプロジェクトにおける良いレビューアとは、必ずしも長い経験時間を持つ人とは限らない。その人の新技術へのセンスが問われることもある。 レビューを通じて、参加者の中から良いレビューアを見出すことが可能である。 解答の多くが「新技術を持った技術者によるレビュー」という直接的なレビュー効果を求める視点にとどまっていた。 レビュー実施のタイミングやレビューの教育効果などの幅広い視点を持って、新しい技術という状況に対応してほしい。
|
【問題】非機能要求を定義するとき、目標設定の観点から曖昧さを避けるための留意点を50字程度で述べよ。 解答【解答】 非機能要求には、直接測定が可能な要求と不可能な要求がある。不可能な場合でも代用特性を見つけ、極力数値化する。 【解説】 本問題は、非機能要求を定義するときの留意点を問う問題である。 非機能要求は機能要求に比べて曖昧になりがちである。 このため、曖昧さを避けるための技法を理解していることが重要である。 曖昧さを避けるためには、できる限り数値化することがポイントである。 非機能要求は、直接測定が可能な要求と不可能な要求がある。 したがって、直接測定が不可能な要求であっても、可能な限り計測可能な代用特性を見つけて、具体的数値を用いて定義することが重要である。 解答には、単に「数値化する」というものが多かった。 非機能的要求には直接測定が不可能なものもあることを考慮に入れて、数値化のために代用特性を見つけることにも言及してほしかった。 |
☞■中級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)に合格しました。
【問題】インスペクションの効果について、ウォークスルーと対比させたうえで共通する事柄と異なる事柄をそれぞれ述べよ。(25字程度) 解答 【解答】 [共通する事柄] ・障害を早期に発見し、少ない後戻り工数で改修できる。 ・意見交換により理解を促進しアイデアも得やすい。 [異なる事柄] ・手続きに沿うため欠陥種類や数が人でばらつきにくい。 ・厳密に記録した結果の分析がプロセス改善につながる。【解説】 本問題は、インスペクションとウォークスルーの両技法を対比させた上で、インスペクションの効果について問う問題である。 しかし、意見交換、アイデア交換などのレビューのやり方についての解答にとどまっている答案が多かった。 共通する事柄として、レビューによって障害を早期に発見できれば後戻りが少なくて済むというような本質的な効果について言及してほしかった。 また、インスペクションについては、厳格な手続きもしくは公式な手続きに沿って行うことへの言及にとどまっている答案が多かった。 欠陥種類や欠陥数が人によりばらつくことがインスペクションによって低減されるという効果について言及してほしかった。 |
【問題】過去の類似プロジェクトの全ての不具合情報が蓄積されている。再発防止の視点から具体的な活用方法を、開発済みのプロジェクトおよび将来のプロジェクトについて、それぞれ述べよ。(25字程度) 解答 【解答】 [開発済のプロジェクト] ・潜在している同種または類似のバグを取り除ける。 [将来のプロジェクト] ・組織内のプロジェクトで発見された同種または類似バグを取り除ける。(横展開の視点) ・他プロジェクトのバグ情報を横展開する。(横展開の視点)【解説】 不具合管理の重要性を理解し、不具合情報の利用価値を理解しているかを問う問題である。 開発済みのプロジェクトに対する活用方法として、一つバグが見つかったら同種のバグが潜在しているということを、強く意識して答案に盛り込んでほしかった。 また、将来のプロジェクトに適用する対策の視点が、酷似するプロジェクトにとどまっている答案が多かった。 視野を広げ、組織内への横展開、組織としての対策についても言及してほしかった。 |
☞■中級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)に合格しました。
人生100年時代。40代・50代は「人生の中間点」。今を乗り越え新たなステージへあなたが目指すセカンドキャリア・セカンドライフを実現するために今やるべき事