📌 はじめに|土づくりが、野菜づくりのすべてを決める
「いい土をつくれるかどうか」で、野菜の出来はほぼ決まる。
そう断言できるほど、土づくりは重要なプロセスです。
どんなにいい苗を植えても、土がダメなら育ちません。
水をやっても、日が当たっても、「根が張れる環境」がなければ、野菜は途中で止まってしまうんです。
これはまさに、信頼のないチームに、優秀な人材がいても力が発揮されないのと同じ。
だからこそ、自分の手で“整える”という基盤づくりには、確かなやりがいがあります。
✅ 見えない「支援部隊」が畑を支えている
ふかふかの土は、ただの柔らかい土ではありません。
有機栽培では、微生物やミミズといった小さな生き物たちが主役です。
彼らが落ち葉や堆肥を分解し、土を団粒構造に変え、根が呼吸できるように整える。
目に見えないけれど、確かに働いている。
つまり、畑にもいるんです。空気の読める“支援部隊”が。
だからこそ、この「環境を支える意識」に、自然と責任感が芽生えてくるんです。
✅ そもそも「土づくり」とは?
「土づくり」と一口に言っても、初めての方にはピンとこないかもしれません。
具体的には、たい肥(たとえば牛ふんたい肥)や有機質肥料(鶏ふんや油かすなど)を畑の土に混ぜ込みながら、しっかりと耕していく作業のことを指します。
こうした有機物を加えることで、土の中の微生物たちが活発に活動しはじめ、栄養豊富でふかふかの“生きた土”ができていくのです。
この「土の中の世界を整える」作業こそが、まさに土づくりの核心。
そしてその積み重ねが、根がしっかり張り、病気にも強く、おいしい野菜が育つ畑へとつながっていきます。
つまり、土づくりはただの準備ではなく、すでに“育てる工程”の一部なんですね。
✅ 土は、手をかけた分だけ応えてくれる
土を反して空気を入れ、堆肥と肥料を入れて耕す。
地味で地道な作業ばかりですが──
その一手間が、明日の野菜を変えるんです。
年々、土が良くなり、生育が悪かった土は夏に天日消毒する。
変化が見えるって、嬉しい。
自分の手を入れた分だけ、ちゃんと応えてくれるんです。
苗の成長を見たときに「これなら大丈夫」と思えるあの瞬間は、
静かな充実感に包まれる、忘れられないひとときです。
📌 まとめ|畑は定年後の“土台づくり”の現場だった
定年を過ぎると、一般的に肩書きも役職もない。
しかし、畑には“マネジメントが必要な現場”がある。
それに気づいてから、土と向き合う時間が楽しくなったんです。
私の場合は「シェア畑」でスタートしました。
道具もアドバイザーも揃っているから、最初の一歩が怖くない。
人に評価されるものではなくても、
「よくここまでやった」と自分が思えるその成果。
それが、我々シニアにとって一番の達成感なのかもしれません。
✅ 次回予告
第3回:「害虫もいれば益虫もいる」── 味方か敵か、判断する目を育てる。
野菜を守る観察力は、人づきあいにも通じていた──そんな気づきを綴ります。
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