
📌 はじめに|畑における大切な考え方
家庭菜園を続けていると、「去年はうまくいったのに、今年は育ちが悪い…」ということがあります。
その原因の多くは、同じ作物を同じ場所に植え続けることによる連作障害です。
畑においても“適材適所”はとても大切な考え方。
この記事では、連作障害を防ぐ「輪作」、作物の「相性」、そして畑の“配置設計”について、実践的な視点で解説していきます。
✅ 輪作の基本──連作障害を防ぐための“畑のルール”
● 連作障害とは?
同じ科の作物を同じ場所に何年も植え続けることで、病害虫の増加や栄養の偏りが起こり、野菜が育たなくなる現象です。
たとえば、トマトやナスなどのナス科を毎年同じ場所に植えると、土壌中にその科の病原菌が蓄積し、立枯病などが発生しやすくなります。
● 輪作とは?
これを防ぐ方法が「輪作」です。
毎年違う“科”の作物を植えていくことで、病気や栄養の偏りを回避する、畑の基本的な管理方法です。
● 主な作物の「科」と例
- ナス科:トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ
- アブラナ科:ダイコン、キャベツ、ブロッコリー
- マメ科:インゲン、エダマメ、ソラマメ
- ウリ科:キュウリ、カボチャ、スイカ
- ヒガンバナ科:ネギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウ
✅ 野菜の相性を知る──組み合わせ次第で成長が変わる
💡 悪い相性──トラブルを招く組み合わせ
野菜同士でも「一緒に植えない方がよい」組み合わせがあります。
主作物 | 避けたい組み合わせ | 理由 |
---|---|---|
トマト | ジャガイモ(同じナス科) | 病害虫リスクの重複 |
キャベツ | レタス | 根の広がりが干渉、生育阻害 |
トウモロコシ | トマト | 高さによる日照争い |
キュウリ | ジャガイモ | 栄養と水分の奪い合い |
💡 良い相性──助け合う“コンパニオンプランツ”
主作物 | 良い組み合わせ | 効果 |
---|---|---|
トマト | バジル | 害虫忌避、生育促進 |
ナス | ネギ・ニラ | 病気抑制 |
キュウリ | インゲン(マメ科) | 土壌改善 |
キャベツ | タマネギ | 害虫抑制 |
🔷 お薦め記事「コンパニオンプランツ」
概要:異なる種類の野菜を一緒に植えることで、互いの性質が影響し合い、病害虫の抑制や野菜の健全な成長を促進する「コンパニオンプランツ」について解説しています。
具体的な組み合わせ例として、ナス科野菜とマリーゴールド、トマトとバジルなどが紹介されています。
💡 後作・前作の相性を見極める
前作 | 後作に向かない野菜 | 理由 |
---|---|---|
トマト | ナス・ピーマン(同科) | 連作障害の可能性 |
キャベツ | ダイコン(同科) | 病原菌の引き継ぎ |
サツマイモ | ジャガイモ | 土壌病害が残る可能性 |
前作 | 後作におすすめの野菜 | 効果 |
---|---|---|
エダマメ | トマト、キュウリ | 土壌窒素補給 |
タマネギ | ダイコン、レタス | 清浄な土により発芽率向上 |
キュウリ | ネギ類、ホウレンソウ | 根の深さ・栄養要求が異なる |
✅ 輪作計画の策定と実践──畝ごとの“栽培スケジュールパズル”を組み立てる

● 輪作計画は「科」「相性」「時期」の三重パズル
- 科:ナス科→アブラナ科→マメ科など
- 相性:前作・後作の関係性を考慮
- 時期:収穫時期・植え付け時期の重なりに注意
● 実用モデル(3畝×年2作)
畝名 | 春〜初夏 | 夏〜秋 |
---|---|---|
畝A | トマト(ナス科) | バジル+レタスなど葉もの |
畝B | ダイコン(アブラナ科) | キャベツ(アブラナ科) |
畝C | インゲン(マメ科) | ネギ類(ヒガンバナ科) |
✅ 計画見直しの重要性──ズレとのつきあい方が成果を分ける

● なぜうまく回らない?
- 収穫が伸びて後作が植えられない
- 土づくりの期間が足りない
- 種まき適期を逃すと収穫激減
● 対処法は「余裕を前提に組む」
- 後作までに1〜2週間のバッファ期間を設ける
- 栽培スケジュールをずらしてローテーションに
- 調整役のネギや葉ものを活用して畝を持たせる
✅ 記録は“来年の自分”へのアドバイス
● 記録するべきは“何が起きたか”ではなく“何に気づいたか”
記録項目 | 内容例 |
---|---|
生育状況 | トマトは8月以降に急成長、追肥の時期が遅かったかも |
病害虫 | キュウリにうどんこ病。昨年同じ場所にカボチャ |
時期調整 | タマネギの収穫が遅れ、後作の準備が間に合わなかった |
記録は「来年もやるための指示書」。
完璧でなくても、“今年の失敗”は“来年の最良のアドバイス”になります。
📌 まとめ|畑にこそ“適材適所”の知恵が活きる
畑づくりは、「どこに何を植えるか」だけでなく、**「いつ植えるか」「何の後に植えるか」**が成果に直結します。
輪作と相性をうまく設計すれば、畑は自然に回り始める。それはまるで、チームが噛み合うような喜びでもあります。
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